2016年12月18日日曜日

India Rally 2016 旅日記編

インドは想像もつかないほど大きくて複雑な国で、私が見聞きしたのはそのほんの一部に過ぎませんが、雑多な旅日記も記録しておこうと思います。


まず、かの有名なインドの牛。乳牛っぽいのから、コブ牛風のもの、水牛までいろんなスタイルの牛がいました。荷車を引き、畑を耕し、乳を恵んでくれるありがたい存在と解しましたが、実際のところはどうなんでしょうか。家の脇のちょっとした草地から畑、路肩までどこにでもいて、一見野良のようにも見えますが、持ち主はいるようです。朝夕は連れられて歩く姿を見ることが多かったです。


ラリー看板と羊。HQの前の道を歩く馬。フリーの犬もたくさんいます。
この地域で山に入るとトラやヒョウなどネコ科大型哺乳類がいるらしいですが、残念ながら出会えず。


ラリーコースはコーヒープランテーションの中ということで、コース脇にはコーヒーノキが生えています。コーヒー園は樹高の高い木が粗に植えられ、その木陰にコーヒーノキが植えられており、背の高い木にはコショウの蔓がびっしり絡んでいました。


コショウです。このつぶつぶを乾燥すればいわゆるブラックペッパーですが、これも出荷してるのか?収穫するのが大変そう。


オーストラリア原産、ブラシの木(植栽)。そしてホテルの周りはユーカリだらけ。オーストラリアっぽい植物が結構生えてます。


真ん中の、赤い花がたくさん付いているように見える木はクリスマスの観葉植物、ポインセチア。日本の花屋で売っているものとは全く違ってビックリ(左右の紫とピンクはブーゲンビリア)。


今回は飛行機の時間の都合で少し時間があったので、帰りにちょっと観光もできました。隣町ベルールにあるChennakeshava Templeにて。1300年頃のお寺だそうです。奥に見える門から境内に入る前に靴預け所があり、全員裸足で入ります。すべすべした石の感触が気持ち良い。


こちらは近くのヘイルビードゥにあるHoisaleshawara Templeにて。ここも裸足で鑑賞。どちらも全体が石でできており、表面が見事な彫刻に覆われていました。ところどころに日本のお寺で見たことあるような神様もいて、仏教がもともとインド由来だったことを改めて思い出しました。


バナナ屋さん?果物屋はリンゴ、ブドウ、柑橘類、スイカ、メロン、バナナ、パパイヤといったかなり温帯寄りな品揃えのお店ばかりでした。どの果物もインド国内で栽培されているとのこと。そういえば昔の品種で「インド」ってリンゴがあったなあ。


八百屋のおかあさん。写真撮っていいか聞いたらトマトをくれました。生食しましたが、調理向き品種だったかも。


村の売店。チクマガルルの町中も含め、いわゆる「大型スーパーマーケット」は無く、八百屋、肉屋、ケーキ屋といった小さな専門店か、コンビニの原型のようなこういうお店がほとんどです。
サンジェイさん曰く「インドの田舎の売店には何でも売ってる」そうで、私たちはレキの最中にこのお店でディーゼル燃料を購入しましたよ。インドは奥が深いです。。。

そういえば11月に発行されたばかりの2000ルピー新札は、田舎では全く使えなかった(お釣りがない、そして売店でお釣りが要らないほどの買い物をしない。2000ルピー=3400円くらい)ので、近々インドに行く方はお気を付けください。

これにて、インド旅の雑記帳を終わります。では、また。






India Rally 2016

2016年最後のラリーは久々のAPRC開催となったインド。
事前情報が少なく、スケジュールもなんというか、可変で、いつもと比べるとかなり手探り状態で現地入りしましたが、いろいろなトラブルも含めてとても刺激的なラリーでした。


結果としては既報のとおり、APRCの3位、インド選手権の1位でフィニッシュ。シーズンではAPRCの4位、アジアカップでは2位になったもようです。まあ、順位はともかく、サンジェイさんがこの1年に確かな手応えを感じて、来年につながる成果になった(と感じているようにみえる)のは、コドライバー冥利に尽きるというものです。

一方、自分にとっては、これまでスポット参戦しかしたことの無かったAPRCに1年間通して参戦できたのは、とても良い経験ができたと感じています。時間にもお金にも限りがある中で、誰と、どういう体制で、何を目指してラリーに出るかというのは人それぞれだと思いますが、そういうことをいろいろ考えることの多い年でした。見ているかどうかわかりませんがサンジェイさん、そしてクスコレーシングの皆様、1年間大変ありがとうございました。



ラリー開催地はインド南部カルナタカ州のチクマガルル(Chikmagalur)周辺でした。州都バンガロールから西に約250㎞、町の人口は約10万人、主な産業はコーヒー関連産業と観光。デカン高原の一部で、平坦に見えますが標高は1000m以上あります。北緯13度、気候はサバナ気候で年間降水量1000mm。高原のため比較的涼しく、今は乾季で、最低15℃、最高27℃くらい、夜はひんやりするものの日中は半袖で、汗でベタベタにもならず、過ごしやすい気候でした。


インドの州はおおむね主言語別とのことですが、カルナタカ州の言葉はカンナダ語。連邦公用語のヒンディー語とは文字も文法も全く違う言葉です。ロードブックにアルファベットで「村の名前」が書いてあるのですが看板が読めません(英語併記のところもある)。


タイトルスポンサーはインドのコーヒー産業を牽引するCoffee Dayグループ。ヘッドクオーターやサービスパークからSSコースまで、ほとんどCoffee Day関連の施設内に置かれました。


サービスパークはコーヒーの焙煎工場の敷地内。


コーヒーのサービスもありました。焙煎したて、挽きたて、飲み放題です。


ラリー中のケータリングも用意されていました。本番中以外の昼・夜は近くにあるCoffee Dayグループの高級リゾート施設Seraiで、本番中の昼はサービスパーク内(これは焙煎工場の社員食堂も兼ねていましたが)での食事付きです。写真はサービスパークで用意された昼ごはん。黙っていてもカレーは毎食食べられますが、カレー以外のものを食べたければ自助努力です。


レキの様子。道は狭くツイスティで、コドライバーは常にしゃべり続けです。レキは早朝からスタートして夕方で終了し、その晩にセレモニアルスタート、翌日朝遅めスタートでシェイクダウンというスケジュールでしたが、諸事情により最後の20㎞のステージの2周目を翌日に持ち越し、翌朝も日の出前に出発する羽目に。やりのこしたレキをこなしたら即シェイクダウン。昼すぎに戻って夕方にはもうスタート、スーパースペシャルステージを走るということで、レキ以降のスケジュールはかなりキツキツでした。もうすこし速くノートの整理ができるようになりたいものです・・・


スーパースペシャルステージのコース。サービスパークに隣接する寄宿学校(きっと良家の子女が通う学校)の敷地内に作られたコースです。「コンボイで皆揃って行く」とのことで、コースサイドの脇道から入り、実際にステージを走る前に顔見せ的にぐるっと一周。たくさんの観客が見に来ており、APRCとしては今年一番の人出だったと思います。


ステージの典型的な道の広さはこのくらい。狭いです。予想はしていましたが、誰かがクラッシュしたら即ストップ、ということで止まっております。


スタートの時計はホイヤーのアナログ。シブいです。表示されている数字はスタートまでのカウントダウンです(計測器は光電管でした)。


リエゾンの様子。時々小さな町があります。あとは郊外の道で、道が広くない割に(車線がある場所はほとんど無い)リエゾンのスピードはそんなに遅くない。


サービスパークTCのお兄さんたちと。手が短いのかセルフィーの出来がイマイチだ。


そんなこんなでいろいろトラブルはありましたが、無事フィニッシュしました。


年間表彰も兼ねてTEAM MRFの皆さん。おめでとうございます。


日本ではなかなか紹介されることの無いインド選手権ですが、いくつかタイトルがあって、それぞれ出場資格や車両規則などが異なるようです。これはINRC(Indian National Rally Championship、インド国内ラリー選手権、とでも訳せばいいんでしょうか?)の2000ccクラスのポディウム。VWポロと三菱セディアが主力車種のようです。インドヨコハマがサポートしているアドバンカラーが1-3位です。ホームページの情報はあまり更新されていませんでしたが、シリーズチャンピオンも獲得したようです。表彰式を見た感じだと、IRCよりINRCの方が力が入っている印象でしたが、この辺の関係は今一つよくわかりませんでした。


さすがマルチスズキがシェア40%を誇る国、ジプシーチャレンジ(ジプシーはジムニーのインド名)というクラスもありましたよ。


今回出場唯一の女性ドライバーと。インドで女性ドライバーとしてラリーに出るのはきっと大変なことだと思いますが、来年以降、国外でも走りたいとのこと。今後、注目していきたいです。ちなみにコドライバーとして出ていた女性もたぶん1人(確認できたのはジプシーチャレンジ1位の車に乗っていた選手だけ)でした。ということは、私と合わせて2人ということか。伝統的に女性の地位は低いと言われているインドですが、一方でビジネス界への女性の進出は日本以上に目覚ましいとのことで、この辺も過渡期にあるのかもしれません。


「19時から」という夜の表彰式は、予定通り20時に始まりました。一組ずつステージに呼ばれトロフィーを受け取るという、大変華やかな長い長い会でした。

長くなったので、旅日記は別に続きます。


2016年12月5日月曜日

India Rally 2016 Leg2

マルコムによれば昨日1日で2700個ものコーナーを読んだそうで、さすがに朝から口の疲れを感じましたが、何とか無事フィニッシュ。
APRCの3位、インド選手権の1位になりました。今回もまたサンジェイがベリーハッピーな結果で終われて良かったです。チームのみ皆様今回もありがとうございました!
そしてインドはすごい所だと改めて思いました。それについては追ってレポートしたいと思います。
これから表彰式があって、その後ディナーがある予定ですが、19時から始まる予定の表彰式はたぶん1時間遅れの20時頃から始まる…んでしょうか?インド時間なので誰にも判りません。もうちょっとで始まると言っています。

India Rally 2016 Leg1

ラリー日和のチクマガルルです。
そして平均60km/hを下回るブレーキに大変厳しいコース。全車ブレーキにトラブルを抱えての走行になった模様です。

私たちも最初のステージからブレーキがスカスカになり、サービスに帰るまでにあと70kmもSSがあって、どうなることかと思いましたが、どうにか最初のサービスまで帰ることができました。そこで対策して午後はまずまず。
午前最後のSS7では道からはみ出て石を踏み、左前の足まわりを壊しタイヤもパンク。これもそのままフィニッシュでき、タイヤ交換したら絶妙なクリアランスでボディに当たらず、ロワアームが破断寸前で帰着。超ラッキーです。

で、これから明日のステージのビデオを見ようかと思った途端に停電です。復電を待ってますが、まだかな~、もう20分くらい経ちましたがいまだ復活せず。

2016年12月4日日曜日

India Rally 2016 レキ、シェイクダウン、スタート

朝5時台にホテルを出てやり残したレキに行き、サービスパークからラリー車に乗り換えてシェイクダウンへ。主催の偉い人の奥様が、うちのお庭でやるのよ、と言ってたとおり、プランテーションで働く人の家が立ち並ぶ村の中やコーヒー園の中を走るコースでした。その後はしばらくノートの清書をする時間があり、夕方からスーパースペシャルステージがありました。観客の数がすごくてビックリです。。

2016年12月3日土曜日

India Rally 2016 レキ日

朝6時から最初のステージが始まり、ごはんに寄る暇もなく走りつづけてなお、時間切れのため翌日に20km持ち越し。本当は1日だけの日中だけで終わる予定なんですよ。。

町に帰ってきてなぜかレキ日にセレモニアルスタート。ちょっとご飯食べて帰ってきたら夜9時過ぎ、それからノートの清書。。あえなく撃沈して今朝は4時からやってます。今、朝7時開くステージに向かってるとこです。また長い1日が始まります。

2016年12月1日木曜日

India Rally 2016 移動日2日目

 更新画面を開いたらヒンディー語でのブログ更新を勧められましたよ?インド の回線だからでしょうか??

移動日2日目、午前10時半にバンガロールを出てチクマガルルに向かう・・・はずが、レンタカー屋がなかなか来ず、ホテルの玄関前で強い日差しと爽やかな風を堪能すること3時間、ようやく出発となりました。

バンガロールは渋滞してるところもありましたが、概ね 順調に進んで約5時間ほどでサービスパークに着きました。逆送、割込み、無理な追い越し何でもあり、に見えますが、一応それなりの秩序があるようにも見えます。牛はあらゆるところにいましたが、さすがに幹線道路の真ん中に座って休憩してるヤツにはまだ出会ってません。日本の犬の散歩のように牛を引いて歩いてる人がたくさんいました。

サービスパークには門があって、門番がいて、今日のところはラリー関係者以外入れないようになってるみたいでした。(日本人は明らかに外国人なので、関係者じゃなくてもラリーに来たといえば入れそう)

そしてなんと、主催者が毎日のケータリングとして近所に所有する高級リゾートホテルでもフリーミールを用意してくれているとのこと。早速晩ご飯を食べに行ってみると、 まさにリゾートホテルホテルのディナーブッフェ。美味しかったし、かなり安心だけど、微妙に心残りな感じです。 木曜日は受付をして、 地域の下見とレキ準備。今回のレキ車はインドのマヒンドラです。