2016年5月31日火曜日

Rally in Perlis

帰ってきてから早1週間、またまた間が開いてしまいましたが、マレーシア選手権第1戦Perlisの報告を書いておこうと思います。

速報でも掲載しましたが、結果はSS7でシフトレバーがぷらぷらになってリタイア。この現象は、インプレッサでラリーに出ている人なら、それなりに経験したことがあるかもしれません。今回は残念ながら下から覗いて外れたものを戻せばOKというほど簡単ではなかったようです。

「サービスパークに持って帰って直して、最終号車の定刻から30分以内に自走で最終のパルクフェルメに入れば、ペナルティが付いて完走扱い」というルールの適用にもならず、終了。それまで安定の1等賞だっただけに残念です。スタート時にも車両にちょっとしたトラブルがあり、リエゾンで押したりボンネットを開けたりといろいろありましたが、それでもSSは普通に走れ、タイムも悪くなかった。これもラリーとはいえ、ほんとに残念でした。てふてふさんはじめ応援の皆様、なかなか良い報告ができずにすみません。



さて、このマレーシア選手権、今年から大会の格式がアジアゾーンインターナショナルから国内格式に変更され、AAM(マレーシアのJAFみたいなもの)のライセンスホルダー以外はシリーズポイントが付かなくなってしまいました。ここ数十年来はじめてのことだそうです。主催者は国内の選手がチャンピオンになることによって注目度が上がるとホームページで説明していますが、果たして?

いまのところ、去年2.5Lのエボ10タイプ”翼神”を走らせていた中国の万宇ラリーチームはタイ選手権に行ってしまったし、マレーシア国内のプロトンラリーチームも出ていなかったし(これは新型を製作中でたまたま来なかったという噂もありましたが)、またちょっと寂しくなったというのが正直な個人的感想です。マレーシア国内の一般の乗用車も大分更新が進んでいて、もう町では旧型サトリアは少数派になった(ように見える)こともあり、この先の展開がちょっと心配です。とはいっても、私ごときが心配しても仕方ないことではありますが。


とはいえ、今参戦している選手はそれはそれは元気です。”マレーシアの高山短大”と勝手に命名した、モータースポーツメカニックを目指す学校の若い学生たちが主体になってやってるチームも来ていました。そういう若い人が増えていくといいですね。

日程も少し変更になり、今年は金曜日の夜に参加受付、土曜の朝からレキ、土曜午後と日曜1日で走るという日程になるようでした。個人的には、だいぶ慌しいけど、休暇が少なくても行けるというのはありがたいです。

以降旅日記、です。

2010年の泥地獄

Perlisのラリーに出るのは2010年、2011年に続いて3回目。以前来た時は見渡す限り広がるサトウキビ畑の中の道を走りました(写真のススキみたいな草がサトウキビ)。雨が降ればそこは泥地獄・・・だったのです。それが今やサトウキビ畑はまったく無くなり、


見渡す限りゴムの苗木が植えられていました。よく鉢植えになっている「インドゴムノキ」ではなく、「パラゴムノキ」という葉っぱの小さい種類です。プランテーションとはこういうことなのかと知りました。せっかくコースアウトしても壊れないのがウリだったのに木が植えられてしまうとは。
そして、SSの名前にもなっている「Kilang Gula(Kilang=工場、Gula=砂糖)」、農園内にある巨大な砂糖工場の行く末が気になります。


金曜日、曇りのち夜豪雨。土曜日、曇りのち夕方豪雨。レグ1はサービスパークに帰る途中から。


日曜日、曇りのち昼から豪雨。毎日規則正しく?ゲリラ豪雨がやってきます。

リタイアしたSS7も雨でしたが、そろそろ小降りになってきた頃で、思ったほどは濡れなくて済みました。濡れても寒くないし、すぐ乾くので、日本で雨の中リタイアするよりはずっとマシです。


沿道の様子。こういう「かわいい」意匠の建物をよく見かけます。家によっては1階部分に壁が無く、車庫や作業スペースになっていることも。中がどうなっているのか見てみたい。


カンガーのチャイニーズ食堂。フォークやスプーンや茶碗がお湯に浸かって出てきたり、まほうびんでお湯が支給されたり、経済発展する前のノスタルジックな中国を彷彿とさせるたたずまいでした。

またしても中途半端感否めませんが、これでPerlis編を終わります。
では、また。

2016年5月22日日曜日

Rally in Perlis レグ2

午前中のループは昨日に引き続きトップで上がりましたが、SS7でギアボックスの何かが壊れてリタイア。調子よく走っていただけに、とても残念です。

つづきはまた後ほど。では。

Rally in Perlis レキ日&レグ1

今週末はマレーシア選手権第1戦、Rally in Perlis に来ております。
ドライバーは去年も一緒にマレーシア選手権に出た伊藤選手。車は12月に使ったのと同じGDBインプレッサをレンタルです。

開催場所はタイ国境に近いPerlis州の州都カンガーからさらに国境の町Padan Besar方面に向かった一帯。SSの途中に国境のフェンスが出てきます。このフェンスは割と最近できたとのことで、万が一、左タイトコーナーをまっすぐ行ってしまっても、タイに入国してしまう心配はなくなりました。


5年前に来た時は一面のサトウキビ畑でしたが、今やサトウキビはまったく姿を消し、草むらにゴムの木の若木が植えられていました。10年経ったらまったく別の風景になりそうです。ステージはおおむねこんな感じで、路面良く直線も長く、楽しく走れる道です。今回は3か所のステージを各3回、合計120km程のSSを走ります。

土曜日は朝イチからレキ、14時くらいからスタートセレモニーがあり、レグ1ということで3か所を1本ずつ、計40kmのSSを走行しました。最初のステージに向かう途中で2回もエンジンが止まってしまうという事件はありましたが、なんとか走り切り、サービスで修理も完了したようです。
初日終わってなんと驚きの首位。レグ2もなんとか順調にいきたいです。


洗車中。SSを走り終わってから、恒例のゲリラ豪雨がありました。

2016年5月8日日曜日

International Rally of Whangarei 余談編

長くなったので分割しました。ここからはこぼれ話的な感じで。


南半球ニュージーランドは日本で言えば10月の終わりくらいに相当する季節、のはずですが、北島でも北のほうに位置するファンガレイあたりはまだまだ緑したたる南国のイメージでした。日中が22℃くらい、朝が15℃くらい。日差しも強く、生えている植物は亜熱帯の雰囲気です。


なので、緑鮮やかに広がる牧草地も、ワタクシ的にはこの鮮やかさが北海道というより九州のやまなみハイウェイのイメージ(Googleで検索してみてください)。あの地域の地震が早く収まりますように。


子供の頃に社会科で「ニュージーランドといえば羊」と習い、昔からジンギスカンといえばニュージーランド産の”丸お肉”を食べてきましたが、いまやニュージーランドといえば牛のようです。見かけるのは牛ばかりで、羊にはなかなか出会いません。レキ中にウロウロしている牛に遭いました。


併催のニュージーランド選手権のクルマ。先頭はほとんどWRカーのパーツで出来ているとウワサのPaddon選手のHyundai i20、その後にスバルWRX(VAB)、こういうクルマに混ざって「何でもアリの改造車」?と思いたくなるようなデミオやらスイフトやらにターボエンジンを積んだ車が走っていました。


こんなのとか。(ちなみに「本物ではない」とのこと)


こんなのとかも。RX-7、たぶん。車種はバラエティに富んでいます。先の記事に載せたエスコート
や、FT-86、各種エボ、レガシィRS、シュコダ、RX-8、MR-2、ポロ、等々。改造範囲は相当広いようですが、不勉強につきここでは省略します。


Hyundai i20やVABと同じNZRC1というクラスのBrian Green選手のミラージュは、エボ10のエンジンと駆動系を積んでいるそうで、当のドライバーは「こういうやんちゃな車は若いコにはいいかもしれないけど、俺が乗るのは大変だよ!」ですって。


ファンガレイは海に面した町でシーフードが美味しいよ、と聞いていた気がしますが。
数日の滞在で1年分くらいハンバーガーを食べました。これはマクドナルドのアンガスのコンボ。サイドメニューを「フライドポテト+普通のドリンク」か「サラダ+水」から選べます。$12.5(約950円)。日本のマクドナルドよりずっと美味しいですが、値段も立派。全体的に物価は日本と同じかやや高いくらいです。外食は単価は高いが量も多めという感じ。ラリー中はカレー(これは超本格インドカレーで美味しい)とファーストフード(と自炊)しか食べた記憶がありません。。。(涙)


ラリー終了後は少々観光も。オークランド名物スカイタワー。を、下から眺めたところ。複雑に入り組んだ湾と街並みを一望することが出来ます。上のほうの”輪”の上を歩いたり、ジャンプしたりするアトラクションが有名とのことですが、行った時はたぶん時間外でした。残念。


シルバーファーン(木生シダ)が多く生える原始の森。マオリの信仰の対象であり、開拓時代(というんだろうか?)には密林を歩く際にこの葉を折り取り銀色の裏側を表にして、道に迷わないよう置いて行ったのだとか。ラグビーのニュージーランド代表チームのエンブレム始め、ニュージーランドのパスポート、そして、つい先日の「新しい国旗」論争(結局、現行の国旗を継続して使う事になった)の新国旗候補にも描かれていたシダはこのシルバーファーンだそうです。


その銀色の裏側。確かにかなり目立ちます。



マオリの伝統文化を伝えるショーも見に行きました。これはロトルアのショーで、この近辺には2万人のマオリが住んでいるとのこと。ニュージーランド全体では人口の約15%。マオリ自体も元々のこの島の住人というわけではなく、白人より約600年ほど早く、約1000年前にポリネシアのどこかから渡ってきたそうです。この島には元々地上性の哺乳類はいなかったということは、ホモサピエンスも分布していなかったということでもあります、たぶん。


ロトルアといえば温泉、ということで、ニュージーランドの地獄谷的なものも見に行きました。残念ながらこのタイミングでは間欠泉は吹き上がらず。日本の地獄谷と似た感じです(当然ながら地獄谷に付き物の鬼はいませんが)。


こんな遠いところにはもう来られないかもしれないので、これだけは見ておきたかったキウイも欲張って見に行ってみました(これは明るいところにいた剥製)。朝イチの時間でしたが、キウイは暗くした部屋の中で活発に動いていました。mammal-like bird with hairly feather(毛の様な羽を持った哺乳類的な鳥) と説明に書いてありましたが、元々、他の地域では小さな哺乳類が担っていたような生態を持って暮らしていたそうです。ニュージーランドの国鳥。ちなみに飼育下のキウイを見られる所は国外では数える程しか無く、日本では大阪の天王寺動物園で飼育されているそうです。

以上長くなりましたが、APRCニュージーランドレポートを終わります。
では、また。

International Rally of Whangarei

「やってきました」からすっかり音沙汰が無くなってすみませんでした。
この記事も5月4日にシドニー空港で書き始めて早5日!今日こそは書き終えようと思います。


そんなわけで、初めてのNew Zealandはリタイアにて終了。
結局、全SS280kmのうち、25kmくらいしか走っていないなんて残念すぎるけど、これもラリー。。。

今回、日本語を解さないドライバーと組んでラリーに出るのは初めての経験だったのですが、テストからレキ、本番まで、大過なく過ぎた、、、ような気がします(個人的には)。それでも、もっと英語に堪能だったら、もっといろいろなことが言えるのにと思うことも多くあり、そういうことは今後さらに精進していきたいところです。思うだけじゃなくて何か活動を伴わないと・・・しかし、どうすればいいんだろう?もう英会話スクールにだってかなり投資してるんですけど(笑)。

その他にも・・・ここにあえて書き並べることはしませんが、個人的にはコドラの仕事内容として反省点も多々あり、次にラリーに出るときには同じことを繰り返さないようにしたいと心に誓ったのであります。また、APRCの台数は少ないですが、外国の選手と話をする機会があったり、彼らがどういう仕事ぶりなのかを実際に見る機会があるというのは、非常に刺激になりました。こうやって組む機会をくれたSanjayさんと、サポートしていただいたCuscoRacingの皆さまには大変お世話になりありがとうございました。まあ、Sanjayさんがこのブログを読む機会は無いかもしれませんが。

ここから時間を追って報告していきたいと思います。


ワークショップに着いたところまでは前の記事で紹介したので、水曜日のテストから。

2日目に使うエリアで3kmくらいを占有して、各チーム合同テストでした。
路面は2車線くらいの幅で、フラットで、よく締まっています。ラリー北海道を知っている方は、パウセカムイの中盤の牧場の道みたいなのを想像してください。「典型的なニュージーランドの道」とのこと。
ここでは主に足回りのチェックとドライバー/コドライバーのコンビネーションの確認をしました。


翌木曜日、レキ日。

朝暗いうちに宿を出て午前中にレグ1の4SS、78km、午後にレグ2の3SS、60kmを回りました。今回、各レグに28kmのSSが1ヶ所ずつ、あとは揃って15km前後の距離です。見てのとおり、前日のテストの道と、幅も路面も同じです。規格なのかな?と思うくらいです。
SS中に何度も交差点が出てきますが、どの道もやっぱりこんな感じです。脇道は細いとか、そういう感覚は全くありません。生活道路のためテーピング等もまったく無く、ジャンクションによくよく注意しないと迷子になります。


金曜日午前、シェイクダウン。
朝イチでスーパーSSのレキを行い、同コースでシェイクダウンを行いました。3周したところでコドライバーは降ろされて、VIPを乗せての体験乗車会に。VIPの中には日本の基準からすると特大サイズの方もかなりいるのですが、クスコの2台はNZの基準としては相当に小さいコドライバー用になっているため、小さい人限定でした。すみません。。。


コレは体型を選ばず乗車可。エスコート RS1800、奇しくも本番で走っている姿を何度も目にすることになりましたが、意外に速く、非常にカッコ良かったです。


金曜日夕方からはラリーショーとスタートセレモニーと、スーパースペシャルステージでSS1とSS2が行われました。サービスパーク近くの橋を通行止めにして、ずーっと奥までラリー車が並べられています。


通りすがりの男子と無理やり写真を撮るの図。


セレモニーでは、マオリ族(NZに千年くらい前から住んでいるポリネシア系民族)の歓迎の歌と踊りとマオリ語での挨拶がありました。


昨シーズンの分で表彰されたマイク&マルコム。この後に行われたSS1でストップしてしまい、いきなり(SS最速タイム+7分)×2SS=約14分のペナルティを背負うことになってしまいました。
 

土曜日レグ1。
スタート前のサービスパーク。スタートは朝6時半、日の出は7時ちょっと前ということで、スタート前のこの時間はまだ真っ暗。


サービスパークで簡単な朝ごはんを食べ、寛いでスタートしましたが・・・・
SS2でクルマが不調になり、早々とデイ離脱に。


ヤケアイスといえば、やっぱりマグナムでしょう!(なぜ日本に売っていない!?)
APRCのルールでは、1日目のこんなに早くに離脱しても、1SSにつき1時間という天文学的なペナルティは付くものの、まだリタイアにはなっていないので、翌日に向けて英気を養うこととしました。


翌日曜日、レグ2。
最初のステージで橋と何かにぶつけて、左前の足が曲がってあっさり終了。。。
パンクしたタイヤを外して新しいタイヤをなんとか付け、まだスロー走行は出来たので動いていたらスイーパーに追いつかれれリタイア届けを提出。
この一連の判断についてはいろいろ考えさせられるものがありました。どこまで追うべきだったんだろうか。。。


最後までがんばった人には表彰台があります。
金曜の14分ペナルティから這い上がって、R5車両のシュコダ・ファビアを相手に立派なタイムを並べたマイク&マルコムは本当に速くなったなあと感心しました。ちなみにこの写真は、巨人の人混みに埋もれる私を見かねて、隣にいたノッポの紳士が撮ってくれました。感謝感謝。


月曜日は片付け。
検疫で引っかからないよう、付いた泥を隅々まで落としてからコンテナに詰めて行きます。
この後、ワタクシはサンジェイさんを空港まで送り届けるという使命を帯びて、一足先にオークランドに向けて出発しました。

長くなったので一度締めて、恒例の旅行記は次の記事に続きます。では。