2016年6月26日日曜日

International Rally of Queensland 後編

前編から続きます。


土曜日は久々の晴れ!冬とはいえ日が出れば日中は25度くらいになり、日差しは6月の札幌よりよほど強いほど。日向の路面はすぐに乾きます。この写真はSS3/7のスタート前ですが、メインロードはおおむねこんな感じです。対して、脇道はやはり乾きが遅く、滑る区間はとても滑る。


気が付けばあまり写真を撮っていなかったのですが、MRFのファビアR5の2台をマイクとネーザン・クインが追い、増村さんは一人旅、下位3台はそれなりに競っているという展開。サンジェイさんは無理しない運転で確実にステージをこなして行きます。NZでは一度も戻れなかったサービスにも今回はちゃんと戻れました。


そういえば。リエゾンで"Quiet Zone"(何らかの理由で「60km/h以下で走ること」とオフィシャルが決めているゾーン)というものがあり、”ほんの少し”(日本の感覚では)速度を超えていたと、途中でオフィシャルに止められました。1回目は警告だけですが、2回目以降はペナルティが課されます。このほかにもTC0に並んで待っている時に、ドライバー/コドライバーそれぞれアルコールチェックを受けました。こういう規則に対しては大変厳しい印象です。日本人は常日頃から形骸化した規制に慣らされていて、いろいろ規制はあっても「見つからなければいい」とつい思ってしいまいがち。今後出場を考えている方はお気を付けください。ちなみにインドでは「誰もがマイルール」だそうです(サンジェイさん自身はそんなことはないそうです、念のため)。


翌日曜日は雨。しかもかなりの雨です。あのメインロードも水が浮いて川のよう。前夜の時点で、すでに2本のSSの短縮が公式通知で発表されていたのに加え、昼には午後のループが全部キャンセルになり、SS14の一部をSS20という新しい名前に変えて2㎞だけ走りました。これですべて終了。私たちはこの日も着実に走り、無事フィニッシュしました。


SS11あたりでドライブシャフトが折れて、サービスで交換。もしやクラッチ?という話もありましたが、もっと短時間で変えられるもので良かったです(この時点ではまだ午後のキャンセル情報は確定ではなかった)。


この後、雨はますます強くなり、サービスパークも池に。どこもかしこも水浸し。ラリーは15時ころにポディウムのセレモニーが行われ、それですべて終了となりました。

あとは余談です。


今回の開催地は、HQはサンシャインコーストという海沿いの町に置かれ、サービスパークは70㎞ほど内陸に入ったImbilという小さい町にありました。サンシャインコーストはサーフィンなどのマリンスポーツが盛んなリゾート地で、リゾート客向けの短期賃貸アパートがたくさんあります。今回はそんなアパートの一つに滞在しました。(写真はゴールドコースト付近、だと思う)


アパートなのでキッチンと調理用品も付いています。オーストラリア名物カンガルーステーキを焼いてみました。スーパーでの扱いは、北海道のスーパーでの羊肉よりは少なく、鹿肉よりは多い感じです(皆が日常的に食べる肉では無いようです)。肉は赤身で、弾力があってプリプリした食感でした。


肉はスーパーに、皮は空港に。。。
エゾシカと同様、最近では数が増えすぎて、駆除の対象になっているエリアもあると聞きました。
ラリー中にはこんな大きいものは見かけませんでしたが、柴犬くらいの大きさの小さいやつは何度か見かけました。小さくてもちゃんと2本足でジャンプします。


アパートの部屋からの眺め。上下真ん中くらいの、ちょっと右のほうに街灯があり、その上にペリカンが2羽とまっています。これが朝。そして夕方までずっと。大きい鳥です。他に鳥といえば派手派手しいインコや、白黒のカラス等見慣れない鳥ばかり、外は朝からペットショップにいるようなにぎやかさです。


そしてオーストラリアといえばやはりコレ、コアラ。
ラリーのエリアに生息しているらしいですが、遭遇することはできませんでした。残念。

以上、野生の王国オーストラリアレポートを終わります。
では、また。

International Rally of Queensland 前編

忙しい1週間が飛ぶように過ぎて、あっという間に過去の出来事になりつつありますが、APRCオーストラリア報告です。


まずは結果です。
「絶対に完走したい」というサンジェイさんの言葉通り、難しいコンディションの中、時にはタイムを犠牲にすることがあっても着実に走り切りました。2日目の1ループ目の途中で「車がなんかおかしいんだ」と、サービスの皆様をドキドキ(ワクワク?)させたこともありましたが、こちらもドライブシャフト破損で3輪駆動になっていたということで無事時間内に修復。フィニッシュポディウムまで全部走ることができました。クスコチームの皆様、雨の中大変ありがとうございました。

前戦はトータル25kmくらいしか走れなかったこともあってフィードバックできることは少なかったのですが、今回は全て走り切ったことで次に向けての課題もたくさん見つけられました。レキで作成したペースノートを本番で聞いて走る。そのためにどんな情報が必要で、どんな情報が不要なのか。より早く、より安全に走るためにはどんな情報が必要なのか。次回までに対策していきたいと思います。

ここからは日付け順に日記です。


チームは前週末からオーストラリアに入り、コンテナを開け、車両の整備を行っていましたが、私は月曜の夕方に千歳を発ち、羽田経由、シドニー経由でブリスベンからサンシャインコーストに入りました。初めてのカンタス航空。羽田からはなつかしの2階建て、ボーイング747。シドニーからは国内線に乗り継ぎです。合理性を愛するオーストラリア流なのか、前方席の人は普通にボーディングブリッジから乗り、後方席の人は一度外に出て階段で搭乗。降りる時も同様でした。チケットチェックの人に「あなたは階段から下に降りて」と言われて何事かと思いました。


火曜日に参加確認を済ませ、水曜日はメディア向けのイベントとテストがありました。朝から海岸線に呼び出され、小雨の中砂浜に車を並べて、ライフガードのお兄さんお姉さんと撮影会。沖合から船に乗ってドーンと登場!!みたいな感じと聞いていたので、事前情報よりはかなりおとなしい撮影会でした。午後からはステージ近くまで移動し、テスト。


木曜日は早朝からレキ(下見)。ステージまで70㎞ほど距離があるので、朝6:30のオープンに向けて5時過ぎに出発。まだ真っ暗、天気、雨。4か所のステージ計6kmを順走と逆走で使う合計120㎞分をレキしました。ステージは2車線幅の未舗装の”メインロード”に、それに付随する脇道を組み合わせる構成で、最短は5km台、最長は27km台、あと2本は12~15kmほどです。サービスパークはステージからほど近く、そこまで行ってしまえばコンパクトにまとまっています。

メインロードは非常に高速ですが、脇道は道幅1車線でくねくしていたり、かなり滑りやすかったり、道路を横切るギャップがたくさんあったり、川渡りがあったりと、本州の林道ぽいところもたくさんありました。そして、クレストがかなり多い。クレストの表現ひとつで大きくタイムが変わりそうな道です。日没までかかってレキ終了。



金曜日は朝からシェイクダウンがあり、お昼にようやくちょっと一息ついた後、夕方から海岸近くの公園でセレモニアルスタートがありました。今回はAPRCに加え、ARC(オーストラリア選手権)、QRC(クイーンズランド選手権)、クラブマンが併催。たとえて言えば、ラリー北海道に北海道地区戦とジュニアシリーズが併催されているようなものです。QRCにはミラージュだのレガシィだの、パルサーだの200SX等々、日本車のちょっと(だいぶ)古い車もたくさんいましたよ。

これ(↑)はARCの人たち。


こちらはQRCの人たち。フロントガラスにMRFタイヤのステッカーが貼ってあるのがQRCです。


夜のサイン会。サインをもらいに来るのは主に子供たちで、サンジェイさんは1人1人の名前を聞いて、丁寧にメッセージを添えてサインしていました。


国歌独唱の後、APRCの先頭から順にスタートしました。今回は金曜日のスーパースペシャルステージがなかったので、セレモニーだけで終了、競技は土曜日にサービスパーク内のTC0からスタートします。

後編に続きます。

2016年6月19日日曜日

International Rally of Queensland レグ2

奇跡的にサンシャインだった昨日とはうってかわって、今日は朝からかなりの雨です。昨日の夜の時点ですでに2個所のSSが短縮され、全部で30kmも短くなり、さらに午後のステージが全部キャンセル、デイポイントの距離あわせのためにSS14の最後の部分を2kmだけ走ってフィニッシュしました。
途中でドライブシャフトが折れて3WDになったりもしましたが、超豪華メンバーのメカニックのカッコいい姿も見て無事完走。ありがとうございました。

まーとにかくすごい雨です。まだ日も高い午後3時なのに夕暮れ時みたい。これから最後のポディウムに乗ってほんとにフィニッシュです。

今晩はサンジャイさんの家族が作ってくれるカレーでカレーパーティらしい。ごちそうさまです。

International Rally of Queensland レグ1

レグ1はこちらに来て初めての雨無しでした。午後になってサンジャイさんもクルマに慣れて安定して走れるようになり、特にトラブルも無くレグ1を無事完走。
ただいまレグ2朝の長いリエゾンでサービスパークに向かっています。朝から雨です。(写真を付けるとエラーになって投稿できないので、今日も写真無しで)

2016年6月18日土曜日

International Rally of Queensland レグ0

金曜日は朝からシェイクダウンがあり、少し時間が空いて夕方からスタートセレモニーがありました。

シェイクダウンは近郊の町の馬術競技場?の連絡路のようなところで、コドライバーはあんまり必要無かったかも。メインはサンジャイさんの奥さんとお嬢さんを隣に乗せたことだったと思います。

スタートセレモニーはサンシャインコーストの海岸にほど近い公園で行われました。今回はAPRCに加え、オーストラリア選手権とクイーンズランド選手権とクラブマンが併催ということで、なんとも色々な車種が揃っていましたよ。MRFのシュコダファビアR5からミラージュまで。インプレッサもGC8からVABまで各種揃っていました。19時スタート、金曜日のスーパースペシャルステージは無いので、これで1日終了です。レグ1に続く。

2016年6月16日木曜日

International Rally of Queensland レキ日

突然ですが2日ほど前からオーストラリアはクイーンズランド州のサンシャインコーストに来ています。サンシャインとは名ばかりの毎日雨!!で、ちっともサンシャインぽくありません。


今日は朝6時半から夕方5時半までかかって丸1日レキ日でした。夏至前の日本から来てすっかりいつまでも明るい気になっていましたが、朝イチでステージに入った頃にようやく明り無しでもノートを作れるようになり、夕方はヘッドランプでノートを読むというくらいの日中いっぱいでした。

ステージは全線グラベルで、高速あり低速あり、クレストが絡んだコーナーが非常に多いです。NZよりもより路肩が適当ぽい感じで、路面も連日の雨ですっかりぬるぬるでした。IROQ(と略すらしい)に出るなら、レキ車は4駆マストです。今回もSS中に牛にあいました。

まだノートの整理が終わっていませんが、眠さに耐えられなくなってきたのでそろそろ寝て明朝に続きをやろうと思います。では。

2016年6月9日木曜日

JMRC北海道ラリーセミナー

6月5日日曜日。JMRC北海道ラリー部会主催のラリーセミナーペースノート編に行ってきました。
最近のラリーセミナーは、春の「ペースノート編」と秋の「ラリーのいろは」の2本立てになっていて、春は選手向けの実戦講座、秋は選手に加えオフィシャル参加を希望する人にも対応したルール解説を主体とした内容になっています。

今回は「ペースノート編」ということで、せきねんさんと私がメイン講師としてマジメな話から面白くだらない話まで交えて解説させていただきました。


午前中の会場はこんな感じで。募集定員は20台分で、実際に応募があったのは一人参加の方も含め15台25名ほどと聞いていましたが、会場は満員です(汗)。実際に20台40人ビッチリ来たら大変なことです。収支的にちょっとアレなのかもしれませんが、ちょうどいいくらいの人数だったと思います。

参加者名簿によると、実戦経験がある人が1/3ほどで、聞き取りによるとほとんどが参戦5戦以内、ほか2/3はこれから初めてやってみようという方のようでした。ちゃんと新しい人が来てくれるのはうれしいことです。


午後の部。例年通り、陸別サーキットまわりの舗装林道で実際にペースノートを作ってみました。
中級クラス(実際にラリーに出ている人向け)なので、ラリーっぽい車が多いです。ちなみに一人参加の方は同じく一人参加の方と即席クルーになったり、どうしても数が合わない場合は午後の部の講師として現地に来ている現役ラリーストが相方になったりして、かならず2人組になれます。参加してみたいけど相方がいないからやめてしまった方がいたら、来年はぜひ一人でも申し込んでみてください。もしかしたら一緒に実戦に出る相方が見つかるかも・・・(ラリーに出る時には結構大事なポイントです)

中級クラスは講師が作ったペースノートと、参加者が作ったものを比べたり、また作りなおしてみたり、読みながら走ってみたり(あくまでもレキとしてですが)といった内容であっという間に夕方になりました。今週末のラリーでさっそく実戦ですね。

そんなわけで、セミナーはきっと来年もあると思うので、私が喋るかどうかはわかりませんが興味ある方はぜひご参加ください。

ではでは。