ミラージュの最後の全日本ラリーはJN5クラス16台中の8位。
ドライバーの腕を考えると満足してはいけない成績のような気がしますが、車がアレだったとか、舗装の運転を見直さなきゃいけないのか?(byせきねん)とか、足回りのセッティングがもうちょっとどうだったとか、タラレバを言ってはキリが無いですが、ともかく思いがけずいっぱい出た2015シーズンの全日本ラリーが終わりました。来年も今年と同じ体制で出るのは車両面でも予算面でありえないので、現状では来年の活動は白紙です。
ブログを書くに当たって、ミラージュCJ4Aの全日本ラリー史を振り返ってみました。
発売は1995年10月。翌96年の第1戦に松井孝夫/遠藤彰組で全日本ラリーにデビュー。初勝利は「'96ACKスプリングラリー」で田口幸宏/藤田浩一組。この頃のBクラスはミラージュを2台持ち、冬は4WD、夏はFF(95年まではCA4A)を使うのがトップ選手の証?でした。ちなみに発売後2戦は雪のラリー、春1番のラリーは上記ACKで、Bクラス18台中なんと13台がCJ4A。乗り換えの早さに驚きます。車体価格は確か138万円、統計によれば95年のサラリーマンの税込年収(社員10人以上、フルタイム)は490万円、2012年は470万円、平均値も下がっていますが、非正規雇用等、統計に入らない人の数も増えただろうと思う今日この頃です。
その96年は全日本が第1部門と第2部門という2部門に分かれた年でもありました。何を基準に分けたのかもう忘れましたが、合わせて全14戦のうち10戦のBクラスでCJ4Aが優勝を飾りました。翌97年も全14戦中10戦で優勝。
ずっとそんな時代が続いていたように思っていましたが、97年に全日本ラリー第1部門を四輪駆動部門、第2部門を2輪駆動部門とするルール変更が行われました。これにより、より注目を浴びていた(異論はあるかもしれませんが)第1部門では2005年までCJ4Aの出場はありませんでした。一方、2輪駆動部門は次第にターマックラリー主体となって行き、主力選手はより高いスペックを求めてこの97年に発売されたEK9シビックタイプRに乗り換えていき、ミラージュの活躍は数少ないグラベルラリーに限られていたようです。2002年にはBクラスの排気量区分が2000ccまでに変更され、DC2インテグラタイプR、セリカなどが同じクラスとなりました。CJ4Aは2002年のひえつきで上原淳選手が1勝、2003年と2004年に十勝で帯広の青沼達也選手が各1勝、ターマックでの戦闘力が低いとされていたのか、イロモノ的な位置づけだったようです。
2006年、全日本ラリーが再び統一され、この年、Bクラスが1600cc上下で分けられました。車種も変わり、1600cc以下のクラスの主力はブーンX4、EK9、AE111レビン、そしてミラージュ。メーカーのサテライトチームだったDCCSが活動していたこともあり、ブーンX4の戦闘力が一歩抜きん出てはいましたが、北海道2戦で田中伸幸選手がCJ4Aで2勝を上げました。翌2007年も田中選手が2勝、2008年は佐賀吉野ヶ里のターマックラリーで1勝。この年にリーマンショックが起こり、ダイハツ系チームは一部のプライベートチームを除き、姿を消してしまいました。
2009年はダイハツが出場しなくなったタイミングで田中選手がグラベル3戦とターマック1戦で4勝をあげ、ミラージュがこの年のJN2クラスチャンピオンに輝きました。翌2010年は排気量区分が変更され、CJ4Aはふたたびインテグラ勢と同じクラスになります。この年は前年チャンピオンの田中選手がラリー北海道で1勝。その後にCJ4Aが優勝したのは2013年、せきねんさんが同じくラリー北海道で1勝。そして今年です。
最近のこのクラスの動向を見ると、
・2012年は眞貝選手のDC2がチャンピオン、86/BRZ発売
・2013年は横尾選手が86で4勝してチャンピオン、あと5戦はレビン2勝、シビック2勝、ミラージュ1勝で全て1,600cc勢が優勝
・2014年はレビンとブーンX4が1勝ずつ、あとは86/BRZが7勝を上げ、うち4勝のBRZ鎌田選手がチャンピオン
・2015年はさらに86/BRZが来るのかと思いきや、ミラージュが3勝、ヴィッツターボとアバルトR3Tが2勝、86とプジョーGTiが1勝ずつ、チャンピオンはヴィッツターボ
という状況です。来年はまたもクラス区分が変更され、このクラスがクラス4(1,500cc~2,500cc駆動区分無し、2006年以前のRJ車両不可)とクラス5(2,500cc~の2輪駆動とRR車両)に分けられます。今年出ていた主な車両でいえば、
・86/BRZは「クラス4」に
・ヴィッツターボとアバルトR3TとプジョーGTiは「クラス5」に
・CJ4Aミラージュ、DC2インテグラ、EK9シビックは出場不可
・4駆のMiniは現行JN6と一緒の「クラス6」
に分けられることになります。このクラス区分もいつまで続くのかわかりませんが、来年の顔ぶれや台数がどんなことになるのか、今の時点ではちょっと想像できません。
こうやってCJ4Aミラージュの20年史を振り返ってみると、このクラスが時に気まぐれに見えるクラス区分変更にいかに翻弄されてきたかということがわかろうというものです。車種の変遷を見ると、「グラベルではいまだにそこそこ戦闘力があり、ターマックではかなわず、全体的にはまあこんなものか」と、今シーズン出場してみて思ったのと同じことを、18年前の人も、15年前の人も、10年前の人も思ったに違いありません。そんなミラージュを惜しみながら今シーズンを締めくくりたいと思います。
ここからは小ネタなど。
まずはサービスパークから。
いろんな人がいろんなところで発信していましたが・・・
テントの中にも観葉植物。カフェ風です。
洗車に便利な蛇口完備。
ホコ天?
主催者のご苦労はいかばかりかと思えば、こういうことはできるだけブログには書かないようにしようと思うのですが、さすがに狭すぎです。テントから出るのにメカニックが誘導して切り返ししなければ出られない通路で、競技車同士が対向する設定はさすがにまずいでしょう、と、公式通知で動線を一方通行に変えてもらえて何よりでした。
しかし、その結果がこのTC待ち。ラリーのルールに詳しいわけではない、イベント会場から撤収してくる人にしてみれば、「なんでこんなところに道塞いで止まってんだよ!(怒)」だったに違いないのです。ラリー車がコントロールゾーンに入るには、延延と連なるこの人たちの進路を塞がなければなりません。交通整理のオフィシャルの方も、大変お疲れ様でした。
新城といえば次郎柿。今年も購入してホテルでいただきました。もちろんナイフも持込で。北海道で売っている柿は収穫してから日が経っているためか私好みのシャキシャキの堅いものは少ないのです。しかも産地で買うと安い。2日連続でのべ16コくらい購入しました(最小単位8個くらい200円)。
デイ2はコンマを争う熾烈な6位争いが楽しかった。結局8位に終わりましたが・・・
新城の林道のイメージといえばやっぱりこんな感じ。狭くてコーナーが多くて、暗い。今年出たラリーの中で一番たくさん喋った気がします。(写真は上平井に向かうリエゾン)
併催でTRDラリーもありました。奥がTRDのサービスパーク。こちらも75台フル出場で大盛況だったようです。全日本のサービス会場の近くがメインのイベント会場"TOYOTA GAZOO Racing Park"で、いろいろなイベントや地元美味の出店があったようです。イベント会場を見に行く時間はまったく無かったので、特にレポートはありませんが。
少し前まであったセントレア20時台発の札幌行きが無くなったので、今回も早朝の成田から出勤です。前回、第2ターミナルの駅から第3ターミナルまで連絡バスに乗って時間を無駄にしたので、今回は歩き。どうしてこういう模様にしたのか判りませんが、イメージはきっと陸上のトラックだと思います。
7月くらいまで参戦プランに入っていた来週のオールスターには行かなので、次のイベントは11月27日にJAF表彰式@渋谷です。
では、また。